2016年5月4日水曜日

今月の古書展とナントの城

今月の古書展は、429日から51日におこなわれた。初日は、超満員で、あったがそれでも千円で8冊ばかり購入、その中には、フランスの城と館の写真と解説集があった。思わず手にしてしまったのは、そこにブルターニュのナントの城を発見したためである。
ナントの城は、20年ばかり前、ヨーロッパの視察旅行の時訪れたことがあった。ナントはパリからTGVで二時間ばかりのフランスの南西部の町で、視察の目的は、TGVに乗ることと復活した路面電車の見学であった。
ナントの路面電車
フランスのTGVは、定員が、日本の新幹線の1/3程度の小型で、座席は、左右2列づつで簡素なビジネス特急のごとくで1990年には、時速515.3km/h の当時としての世界記録で有名であったが、限りなく広い平野の直線軌道での記録で、山川をぬって走る日本の新幹線とは比較にならないと感じた。
ナントの市街地

ナントの町の路面電車の見学は30分程で終わり、後は市街地と城の見学であったが、日曜日で人通りもすくなく、あっと云う間にその見学も終わり、近くのレストランで、食事とワインをしてその日の内にパリに戻った。これだけのことであるが、しかし印象に残ったことがある。このナントの城に日本語の案内パンフがあったことである。フランスにきて、感じたのは、車はルノーがほとんどで言葉はフランス語で漢字には全くであわなかった。そんな中、こんな片田舎(失礼:と云ってもブルターニュ地方最大の町と云われている)にも日本人がいて、この城のために解説記事を書く人がいたのである。城そのものより、僕はそのことに感動した。今考えると、それは、圧倒的な西洋文明の中で孤立してある日本文化の存在を愛おしく思う感情と重なっていたように思う。

ナントの城
その写真集は、昭和544800円で売り出されたものであるが、それが三冊100円のコーナーにあった。昔の写真集は、今からみれば印刷技術で見劣りするので、こんな価値しかない。しかし私には、西欧旅行を思い出すきっかけを与えてくれ本としての価値はあった。家に帰り、その時撮ったナントの写真を探し出した。そういえばナントは、1598年、ここでアンリ四世が「ナントの王令」に署名し、信教の自由を認め、長年の宗教戦争に終始符をうち、フランスを統一に導いた歴史的な場所であった。
写真集

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